空き室だらけの「特別養護老人ホーム」

以前は、特養はいつも満室で、入所するのに数百人待ちと言われていました。
しかし、最近は様子が違うようです。

地域によっては、空きだらけの特養があります。
自分の住んでいる地域の施設でなければ申し込めないという決まりはありません。

隣の市、隣の県、もっと遠方など、入りやすそうな所にも申し込む手があります。
管理人マチルダは、隣市の特養に母を入れています。

★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

空き室だらけの「特別養護老人ホーム」
23区&政令指定都市の利用率44.5%
2017.7.4
三浦 愛美

1.イメージと裏腹に「空いている」特養
(本文の要約です。)

特養の入所申込者は全国で約52万人といわれる一方で、空床の存在が見え隠れする。

2016年11月時点で、全国の特養で「満室」と答えたのは73.5%
26%の施設では「空きがある」。
新規オープンした特養の開設時点での利用率も、決して高くはなく、ユニット個室で62.4%、従来型個室や多床室では67.8%と、7割を切っている。
全国の特養で満床になるまで要した期間が平均5.8カ月。

淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博氏談

結城教授は「需要を鑑みず、全国一律で特養をつくってきたツケ」「箱ものだけつくり、必要な人材育成と人件費に投資してこなかった政策の失策」と指摘する。

「現在、全国の特養の数は9700ほど。もちろんまだ特養の数が足りていない地域もあります。しかし、すでに秋田など高齢者の数自体がピークアウトしており、施設に空きが出始めているエリアもあります。

必要な地域に、必要な設備と必要な人材を投入しきれておらず、反対に需要のないところには依然として整備計画が検討されている。すでに黙っていても人が特養に集まってくれる時代は終わり、不要なところは新たにつくらないなどの作業を早急に進めなければ、10年後には『倒産』する特養も出てきかねません」

実は、キャンセルが相次ぎ、想定より短期間で入所できたり居住地以外の特養に入居できる可能性があることはあまり知られていない。

元記事は下のリンクからお読みください。

プレジデント オンライン
空き室だらけの「特別養護老人ホーム」
23区&政令指定都市の利用率44.5%
2017.7.4
三浦 愛美

目次
1.イメージと裏腹に「空いている」特養
2.特養の空床はなぜ生まれるのか
3.数ある選択肢の中で特養を選ぶのは妥当か
4.非効率な特養 なぜまだ増える
5.見落とされがちな地域包括ケア

相談:特養から別の特養へ移ることは可能でしょうか?

ansinkaigo

安心介護の相談からです。
読みやすいように編集してあります。

母の為に!!特養から特養に移りたいのですが一旦断られました。
移る手段はありますか??

要介護5の母が今年4月から特養に入っています。
それまで一年間自宅介護してきたのですが、介護をしていた父が倒れ、完全介護ができなくなったので、急きょおじいちゃんの時にお世話になっていた近くの特養に入りました。

そして、最近新しくできた特養を見学に行ったり、話を聞きに行ったりして、これからの母の生活場所を今の特養から変えてあげたいと思うようになりました。

今の所は、トイレをお願いすれば嫌な顔で仕方なさそうに来て、『さっき聞いたときにちゃんとしてくださいよ』みたいな感じで言われたり。
一人で寂しいのでテレビつけてて下さいと言っても私が行った時についていたためしがないし。

最近母は、トイレ行きたいけど言いにくいのでオムツにするようになってきました。
そこで、新しくできた特養の見学に行き、話を聞いたり、そこにいるスタッフさんともお話ししたりしましたが、考え方、接し方がとてもよく、移動させてあげたいと思うんです。

でも、この前新しい特養の方が母に会いに来て、審査??にも母の話があがったらしいのですが、いまはひとまず特養に入っていて緊急性がないという事で移動できないという事でした。

そこで質問なんですが、今の特養を一旦出れば、新しい所にはいれるのですか?
今の所で母はこれから暮らしていくとなると、私たち(私と姉)はつらくなってしまいます。

まだ64歳の若さで認知症もなく、体が不自由になっています。胃ろうも作りましたが、自宅介護を始めた途端にご飯も食べれるようになり、今では水分もきちんととれるので胃ろうは使っていません。

あとの余生、母には少しでも楽しく過ごしやすい場所で暮らしてほしいと思っています
みなさん良いアドバイスを是非よろしくお願いいたします。
2013年06月14日

質問者  hi-  さん
介護対象者    :実母
認知症の有無    :なし
要介護度    :要介護5
介護状況    :介護対象者が長期施設入所中

=============

回答:専門家(介護福祉士他)

特養の入所基準

お住まいの地域によっても多少違う部分もありますが
概ね次の点が評価され、入所判定が行われています。

・本人の状況(要介護度)
・介護の必要性
・家族等介護者の状況
・入所申し込みからの期間

現在、特養に入所しているということは、
介護者がいて必要な介護を受けられている状態と判断されますので
緊急に入所する必要性としては低くなるのかと。

入所している施設の上記のトイレの際の対応は、
厳しく言えば虐待にもあたります。
ですが、大切なお母様をもうしばらく入所させる必要があるなら
しばらくは穏便に相談員やケアマネジャーに
このように対応してほしいが…と相談することが妥当かと思われます。

また、一時在宅介護ができる介護力と環境があるのであれば、
自宅にて次の施設への入所を待つ方法も。
ただし、いつ次の施設に入れるかという保障がないため
長期に及ぶことも考えなければなりません。

2013年06月14日

=============

回答:専門家(介護福祉士他)

申し訳ありませんが思うように特養間の移動は出来ません。

入所するときに全ての条件を承知しておくべきです。

介護のスキル、人員配置、経営理念などを比較して、また入所中のご家族からの口コミなど情報収集をしないといけません。

元のように元気になって食べる事がしっかり出来、歩く事も頑張れる様になったとすれば、特養に入所しているべきではなく、在宅に戻りなさいとも言えます。

リハビリを進める事で、改善できるのなら退所され在宅なり、あるいは、リハビリを受けられる老健を利用され、在宅に戻れるように考える方が前向きではと思います。

2013年06月14日 19:53

=============

回答:専門家(ケアマネ)

64歳、まだお若いですね。
何らかのご病気をお持ちと思いますが、今後の生活がより穏やかとなります様、回答させていただきます。

施設入所の場合、まず、医療面の処置が行えないという理由で面接すら行えない可能性あります。
胃ろうとの事ですが、現在は経口摂取が行えているとの事ですので、誤嚥に注意しながら、継続されるとよいと思います。

施設の変更をお考えとの事ですが、特養から特養への移動というのは、私の地域ではほとんど事例がありません。

既に居所があるとの事となりますので、「より環境がよい場所へ」という理由だけでは、数年先も入所できない可能性が高いです。

また、新しい施設ですと、内装等がとても綺麗な為、そこで働く職員もよくみえてしまう事もあります。ユニフォームなども新品ですし。
一応の注意事項としてお書きさせていただきました。

新しい施設の費用はいかほどでしょうか。
最近の特別養護老人ホームは、有料老人ホームよりと費用が変わらないところもありますので、費用面がクリアできるのであれば、有料老人ホームも選択肢にいれてもよいものと思います。

また、一旦自宅に戻った場合ですが、入所できる可能性は増えるかもしれませんが、数年間入所できない場合も多いと思います。
その間の介護は可能でしょうか。

・待機期間
・介護度
・緊急性
・独居か否か
・ケアマネや相談員の記載する特記事項

などで、入所できるか否かがきまります。

自宅介護も長期間は困難、今の施設も出たいという事であれば、一旦有料老人ホームへ入所し、新しい施設の部屋があくのをお待ちになるのも、ひとつの案です。
有料老人ホームから特別養護老人ホームというのは、一般的にある事例です。

有料老人ホームを一時的な居所とする場合は、一時金のない場所をお選び下さい。
2013年06月14日 21:58

=============

応援・体験談・アドバイス

まだお若いのにお母様の為に,頑張っておられますね。
私も同じ状況なら,母を移らせる為に,奔走すると思います。

要介護5とのことですが,今回の文面にケアマネさんの姿が
見えないのですが,ケアマネさんのご意見はどうだったのでしょうか。

特養の入りにくさなども,地域によって違うと思うのですが
その地域でお仕事なさっているケアマネさんなら,良くご存知だと
思うのです。

私だったら,担当ケアマネさんに,移らせたい熱意を話して
実際にどう動けばいいかアドバイスしてもらうかもしれないと
思いました。

新しい特養に移れることを祈ってます!!!
頑張って下さい。

2013年06月14日

=============

回答:専門家(ケアマネ)

お母様の年齢で特養はお辛すぎます。
一日も早く在宅の方法を考えてあげてください。
地域の包括支援センターが相談にのってくれます。

私の母も遠方で一人暮らしをしていました。
呼び寄せても地元が良いと頑張り、94才で今年亡くなりました。
特養にもお世話になりました。

在宅でもいろいろサービスがあります。
これから30年以上の生活を考えてあげてください。

=============

質問者の返信(まとめました。)

姉は近くに住んでいますが一人で三人の子を育てていて、私は実家から車で一時間の所に住んでいて、子供もいるため毎日通うことが難しく。。。
子供の夏休み期間に合わせて、一度退所させようかとも考えました。
でも期間が分からないですよね。
とにかく今はともすけさんの言う通り、ケアマネの方に言って穏便にしておこうと思います。
姉の方が私以上に母の気持ちを考える人で、姉が本当につらそうにしているのがさらにつらいところです。

~~~~~~~

皆さんの応援、アドバイスって本当に心強いですね!
今の特養のケアマネさんには相談せずに他を探していました。
他を探すと言うと、ケアマネさんはいい気がしないのでは?と思い、面談に来ると決まってから言いました。
また他を探してもみますが、今のとこのケアマネさんにもハッキリと事情を話して相談してみます。
アドバイスありがとうございます。

~~~~~~~

みなみんさん、ありがとうございます。
入所するときは自宅で介護できる状況ではなかったので、ひとまず今まで祖母の時代からお世話になっていたホームに入所させてもらいました。
また落ち着いてから次の段階を考えればいいと言うケアマネさんの言葉から、違う特養に移ることが難しいとは考えもしませんでした。
そこが勉強不足だった点だと思います。
ケアマネさんとちゃんと話をして決めていきたいと思います。

~~~~~~~

他にも色々な方法を考え、父母がともに生活できる場を見つけていきたいと思います。
やっぱり緊急性がないというところが一番大きな点かな~と思います。
アドバイスありがとうございます。

===========

マチルダです。
地域や特養によって差があるようですね。
絶対認めない施設もあれば、事情によって考慮してくれる施設もあります。

私が、ある特養の施設長さんから聞いた話です。
身よりのない男性が入所してきたが、どうしてもその施設になじめなくて、暴言や暴力もあったので、同じ地域の特養に訳を話して預かってもらった。

一ヶ月後に見に行ったら、別人のように穏やかになっていてビックリしたそうです。

素人考えですが、絶対移れない訳ではないようです。
しかし、64才で認知症もないのに、特養は辛いですね。
特養の平均年令は85才くらいです。
ケアマネさんと相談して、各種介護サービスを利用して
在宅介護できたらいいですね。

「活き逝き術のススメ―ニューシニアは語る」

活き逝き術のススメ―ニューシニアは語る
藤森 洵子 須之内 玲子

現代書館 2014-07
売り上げランキング : 802636

Amazonで詳しく見る by G-Tools

二人の著者は、高齢者問題の相談員です。
60代を迎えた団塊の世代、彼らをニューシニアと位置づけ、
ニューシニア世代の老年期の過ごし方をインタビューしました。

第1章は在宅介護を受けている人々4名のインタビュー
第2章は有料ホーム入所者のインタビュー 4名
第3章は介護経験者の声 4名
第4章はインタビュー後の感想

特養利用者はいませんが、お世話を受けている人の本音はなかなか聞けないものです。
周りに遠慮したり、気兼ねしたり、介護される人は弱者だな~と思いました。
自分がそうなったときについて考えさせられる内容です。

長い間、高齢者福祉に関わってきたプロの目線が貴重です。