人手不足の介護現場の助っ人として、外国人を採用しようという話は以前からありました。確かに良い面もありますが、どうなのでしょうか?
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日本の介護問題を解決する突破口、外国人介護者
能力、知識、やる気が高く、既に現場を変えつつある
2017.4.26(水) 鷹野 和美
(長いので、適当に要点を引用してあります。)
現在、私は大学で教員をしている。学位は医学博士で、介護福祉士でも社会福祉士でもないけれど、問題関心は一貫して地域の医療介護にある。
大学教員の傍ら、ワタミの介護、メッセージ、ヒューマンライフケアという我が国を代表する介護の上場企業の顧問を務めたり、セントケア、やさしい手という有名企業の教育担当を引き受けたり、医療と介護の一体化したメディカルグループの理事長などを歴任してきた。
2025年、団塊の世代が後期高齢者になるその時、少なくとも39万人の介護職が不足すると厚生労働省では推計している。民間のシンクタンクでは、その数倍の不足を試算している処もあるくらいだ。
母国の高等教育機関を卒業して高い基礎学力を有する者、あるいは母国の看護師などの資格を有する若者たちが、日本の介護福祉の門をたたこうとしている。誤解を恐れずに言うが、日本人介護職に比して、相対的に基礎学力の高い人々が集まろうとしているのだ。
学歴の高低が人の質を決定するわけではないが、プロとして活躍するには、ある程度の基礎学力は必要だと考えている。事実、日本人でも6割程度しか合格しない介護福祉士国家試験を、外国語である日本語で受験して、彼ら彼女らは難なく通っている。
平たく言えば、「優秀な人々」が介護現場に十万人単位で入ってくる時代をやっと迎えたのだ。
外国人の介護福祉士が日本を変える
日本で介護福祉士になるために、標準的な生活費の数年分を費やして強い意識と高い能力を持って高等教育機関の門をたたく海外の若者たち。
外国人介護職を採用しようとしない介護サービス会社もあるが、既に積極的に受け入れている事業者もある。
後者では、その効果が現れ始めている。私が理事長をしていたNPO法人では、積極的に外国人(主にアジア諸国)介護職を採用している。我が国の高齢者の中には、アジア諸国の人々に対する差別意識のようなものがあるのではないかと、当初こそ不安に思ったが、それは杞憂に過ぎなかった。
特に儒教の教えがしっかりしていて、高齢者に対して非常に丁寧に接する韓国人スタッフ、明るくて楽しい雰囲気を醸し出すことのできる東南アジアのスタッフに対して、我が国の高齢者たちは、概ね好意的だ。
レクリエーションで成功した人には「よかったね」と言ってハグする、悩んでいる人をみつけたらハグして「大丈夫」と励ます、照れくさそうに喜ぶ高齢者が多い。
介護現場では、看護職と介護職の仲が悪い。それは看護職が上に立って、介護職はその指示につき従っているだけだから、真のチームになっていないことに起因している。
自らの専門領域に責任をもって、他者の仕事に、良い意味で口出しできなければならないのだ。外国人介護職は、そうした因習も変えてくれるのではないかと期待している。
多国籍介護チームは相互に刺激し合って、いい緊張感の中で利用者サービスを展開している。「介護は利用者のため」という、当たり前が実践されるために、外国人介護者が与えてくれるインパクトに期待している。
終わり
原文です。長いです。
日本の介護問題を解決する突破口、外国人介護者
能力、知識、やる気が高く、既に現場を変えつつある
2017.4.26(水) 鷹野 和美
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49823