相談:認知症と便秘

認知症と便秘についてのご相談です。
回答は認知症専門の成川有一先生です。

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84才の母ですが認知症と診断されて3年以上が経っています。物忘れこそ強いのですが被害妄想などの問題行動もほとんどなく、杖を使いながらも少しの散歩なら可能です、もちろん誰かが必ず付き添いますが。

そんな日常で一番困っているのは便秘の激しい事です。以前より3~4日間ぐらいの便秘はあったのですが、認知症と診断されてからは1週間ぐらいの便秘は普通なのです。

何か認知症と便秘は関係しているのでしょうか。また何か良い便秘対策があったら教えて頂きたいのですが、よろしくお願い申し上げます。もちろん近くの先生には便秘の薬は色々と出してもらってはいるのですが。

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お医者様の回答

認知症と便秘は非常に関連していると言われています。
認知症の周辺症状である徘徊は便秘の為に睡眠が浅くなる為に生じるとも言われています。

便秘が認知症の周辺症状を重くさせたりする理由は便秘による身体の不調を理解出来ず、そのイラ立ちが周辺症状の増悪に繋がってしまうからとも言われています。

次に認知症(時に高齢者にも該当)と便秘の関係ですが、(1)弛緩性便秘: 寝たきり、運動不足、食事摂取量の減少さらに腸間膜の弛緩による腸の蠕動運動不足など。(2)機能性便秘: レビー小体型認知症などの自律神経失調症で胃腸の動きが悪くなり便秘となる。(3)直腸性便秘: 下剤などを飲み続けて直腸の感覚が鈍くなり便意が低下。(4)薬剤性便秘: アリセプトや種々の認知症薬で便秘が起こしやすくなっている。それ以外にもオムツの常用で便意が喪失する等の多くの原因が考えられます。

認知症の便秘予防対策には(1) 食事のリズムを規則正しくして、間食などは控える。(2) 食物繊維や水分を十分に取る。(3) 適度な運動を日常的に行う。(4) 排便習慣をつける。いつも決まった時間にトイレに行く様にする。(5) オムツは出来る限り使用しない様に努める。(6)便秘の薬はなるべく使用しない等です。

原文
認知症と美しい老後
緑協和病院院長 成川有一ブログ
「認知症についてと美しい老後を迎えるには」
http://narikawayuichi.jp/blog-category-36.html