2018年(平成30年度)は、3年ぶりに介護報酬改定が行われました。
今回の介護報酬改定では改定率+0.54%となり、前回の改訂のように施設の倒産が増える怖れは減ったようです。
この記事での要点です。
2018年(平成30年度)の介護報酬改定 3つの注目ポイント
1.医療・介護のダブル報酬改定
2018年の介護報酬改定では、「医療」と「介護」の連携がテーマとなり、双方の連携に重きをおき「居宅系サービスを中心に医療連携にかかる加算・基準が充実」「医療リハの算定制限により介護リハへのスムーズな移行」「介護医療院の誕生により介護保険で提供される医療の範囲が拡大」などが議論のテーマとなっている。
2.重度化防止に向けた科学的介護
2018年度の介護報酬改定では、自立支援に向けた「心身機能の維持に関するアウトカム評価の創設」を検討し、自立促進や重度化防止の効果が実証されたケアを提供し、「ADLの改善」や「褥瘡の予防」「排泄にかかる機能の向上」が実現できた場合に加算を行うなどが議論のテーマとなっている。
*ADL とは、食事や着替え、排泄や入浴など、人間が日常生活を送る上で欠かすことのできない行動動作をさす「日常生活動作」(Activities of Daily Living)の英訳です。介護福祉医療の分野では一般的に略称である「ADL」を使用します。
3.介護ロボット・ICT活用による評価
2018年の介護報酬改定では、介護業務の効率化および介護負担軽減を目的として、介護ロボットやICTを活用している事業者に対して「介護報酬や人員基準の緩和する」ことが議論のテーマとなっています。
*ICTとは、パソコンやタブレット、スマホの活用で、「介護記録」などの書類作成を簡単にして、全ての作業をできるだけ「見える化」することです。
・特別養護老人ホームの介護報酬改定
特養の介護報酬改定
特養における2018年の介護報酬改定のポイントは「看取りの体制づくり」と「褥瘡予防や排泄介助でのインセンティブ制度の設立」です。
特養の看取りの体制づくりにおいては、重度化した入居者様のフォローできる配置医師の積極的な関わりや外部の医師、歯科医師、薬剤師、看護師が関わりやすい報酬体系が議論されています。
これは、2015年(平成27年度)の改定で「新規の入所要件が原則要介護3以上」となり、「看取り体制にかかる加算が手厚く」なったものの、今後入居者が重度化してしまうことが予想されるための施策といえます。
次に、特養において「褥瘡の予防」と「排泄」に関わる機能の向上を目的として多職種で計画を作り、それに沿って適切なサービス提供をしている事業所に高い対価を支払う「インセンティブ制度」を設けることが議論されています。
具体的には、3ヵ月に1度以上モニタリング指標を用いて個々のリスクをチェックすることなどを新たな評価の要件にすると説明しています。
これらは国が推奨している「自立支援介護」につながるサービスを提供するための施策で、特養だけでなく、老健も対象とする方針です。
元記事
2018年の介護報酬改定の注目ポイント!事業所別の総まとめ
https://rehaplan.jp/articles/395