特養の入居費用は自分か家族が入ることを想定して考えてみよう。

ファイナンシャルプランナー畠中雅子さんの記事です。

畠中さんは、仕事がら老後の費用についての相談を受けることが多いそうです。
そして、「介護が必要になったら、特養に入るつもりです」という相談がよくあります。
しかし、実際にいくらかかるか知っている相談者はほとんどいませんでした。

畠中さんは、実際に特養に見学に行ったりして、費用を調べてみました。
結論としては、自分の住んでいる地域の特養の費用を調べておくことを勧めています。

介護が必要になる前から、自分(又は家族)が要介護度3以上になったら、どの特養に入りたいか、ユニット型が良いか、多床室で良いか、自分の財産や収入で入所費用がどう変わるか、調べておくことが大事ですね。

また、軽減措置で自治体から補助が出ることがあります。
金額や基準は自治体により異なるようです。
そういうこともあらかじめ役所に聞いておくと、いざというとき慌てずに済みますね。

いつも思うことですが、高齢者向きの仕組みなのに、わかりにくく理解しにくいです。

高齢者や弱者にやさしい仕組み、煩雑な手続きのない誰でも利用できる仕組み作りを切にお願いしたいものです。

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2018.7.23
【節約家計簿】
特養ホーム入居者、半分以上が軽減措置対象

仕事で、高齢者施設への住み替え資金アドバイスを行う機会があります。相談を受ける際、おすすめの高齢者施設を挙げてほしいと頼まれることがあるため、時間を見つけては施設を見学しています。見学先として介護付き有料老人ホームを見に行く機会が多いのですが、少し前、特別養護老人ホーム(特養)を見学しました。オープンしてから約1年の、とてもきれいな特養でした。

ところがその特養では、ベッド数の3分の2しか稼働していません。介護職員数の不足から、3分の1のベッドを稼働させられずにいるのです。特養側では介護職員を確保するため、事業内保育所を併設。入居の待機者が多い地区なので、介護職員が採用できたら、稼働するベッドの数も増やすという流れになっています。介護職員不足が深刻化している現実を、再認識する見学にもなりました。

老後資金の相談を受けると、介護費用が話題に上ることがあります。介護を受ける場所については、「介護が必要になったら、特養に入るつもり」という言葉を耳にする機会が多いのですが、特養の利用料を知っている相談者はほとんどいないのが現実です。

そこでここからは、今回見学をした都内の特養を例にとり、利用料を紹介します。特養の利用料は要介護度で異なりますし、地域によって介護保険の報酬単価が異なります。さらに、所得や預貯金額(本人と配偶者)によっても変わります。10人程度がひとつのグループ(単位)となり、食堂やリビングを共有して暮らすユニット型個室の場合、要介護1の人で月額利用料は約14万6000円。要介護5になると、約15万6000円になります。この金額の中には、食費や居住費のほか、日用品費や預かり品の管理サービス費も含まれています。

規定の月額利用料は右記の通りですが、実際に規定額を払っている入所者は半分もいません。言い換えれば半分以上の入所者が、軽減措置の対象者。これは、他の特養でも同じ傾向がみられます。たとえば、課税年金収入と合計所得金額が80万円以下の人は、要介護1で約6万8000円。要介護5では約7万8000円になります。課税年金収入は80万円を超えるものの、住民税が非課税の人は要介護1で約9万1000円、要介護5で約10万1000円です。療養食代や経口ケア代は、別途費用が加算されます。

2年前から障害年金や遺族年金などの非課税年金も収入に含めるようになったため、それ以前より負担は増える傾向にありますが、介護を受けながら個室で暮らせることを考えますと、特養を住み替え先の第一候補と考える人が多いのは、自然なことといえそうです。

(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)

元記事
https://www.sankei.com/life/news/180723/lif1807230020-n1.html