特養に母を訪問する

yono_18ユニット例

昨日は弁護士と一緒に母の様子を見に行きました。
母は成年後見制度を利用していて、後見人は弁護士です。
弁護士が特養に来たのは入所以来、半年ぶりです。
そのいきさつは別の機会に書きます。

母の入所している特養は、全部ユニットです。

昼食後だったので、個室で内側からカギをかけて昼寝していました。
しばらくノックをすると、気がついて部屋に入れてくれました。

体は前よりふっくらして、顔色も良く、健康そのものでした。

ただ、記憶は以前より後退しているし、つじつまの合わないことをたくさん言います。
理解出来なくても、私の話に一生懸命合わせているようです。

自分の通帳のコピーを見ても、あんなに見たがっていたのに、目も通さないでベッドの上に置いてしまう。

弁護士が「何か困っていることありませんか?」「欲しい物はありませんか?」と尋ねても、困った顔で「急に言われても思いつかない」と返事するだけ。

弁護士が帰ってから、私の家は2軒ある、孫は何人だったかしら、お金がありすぎて困っているなどと、言っている。

散歩に誘うと、「外がこわい」と言いながら、コートを着る。
面倒になって「じゃあ、いいよ、私帰るからね」と言うと、コートのままついて来る。

自分が何をしようとしているのかわかっていない様子。

エレベーターまでついてきたので、スタッフの人が腕をつかんで「ここでさようならしましょうね~おやつの時間ですよ~」と言ってくれた。

今一番したいことは、お金を使って好きな物を買うことのようだ。

このブログで紹介した「活き逝き術のススメ」にも、買い物する権利を奪うのは個人の尊厳を奪うことだと書いてあった。

私が施設に入れられて、好きなおやつを買うことが出来なくなったら悲しいなぁ
散歩で足を鍛えて、近くのコンビニまで連れて行けたらと思ったのだった。

今までの経過と決まったときの礼儀

今までの経過を振り返ってみます。

2015年4月
母認知症と診断される
要介護3と介護認定受ける
デイサービス始める

6月 ショートステイ始める
8月 特養に申し込む(郵便で30カ所)
9月下旬 特養入所決定
(申込書を送ってから2ヶ月弱)

認知症と診断されてから約半年。
初めての体験だらけだった、怒濤のような日々が終わりました。

そして、入所して最初の頃はトラブルもありましたが、
数ヶ月後にはすっかりなじんでいました。

もしかしたら、気に入らないかもしれない。
別の特養に移ることになるかもしれない。

そう考えて、まだ他施設のキャンセルをしていませんでした。
入所後、ポツポツと他の特養から、
「今どのようなご様子ですか?入所についてどうですか?」という電話が来るようになりました。
様子を聞くと言うことは順番が上位に上がってきた証拠です。

事情を話してキャンセルさせていただきました。

まだ、二十数カ所残っていましたので、それらはハガキにコピーして
全てキャンセルました。

「特養入所マニュアル」を読んでから、スタッフさんのご苦労がよく分かるようになりました。これ以上、よけいな手間をかけては申し訳ないという気持でした。

決まったらキチンとキャンセルしましょう。

次回から、なぜこんなに早く入所できたのかを考えてみたいと思います。

母が骨折した!

さて、母をD苑に放り込んで、2ヶ月は会いに行くのをガマンしようと思っていました。

必要な書類や冬用の衣類を届けに行き、受付でケアマネさんや担当のスタッフさんに様子を聞くだけでした。

最初は帰りたがって駄々をこねていたが、次第に慣れてきて他の入所者さんたちとおしゃべりするようになったとのこと、少し安心。

ところが一ヶ月後、苑から電話。
母が骨折したので、病院へ連れて行ったとのこと。母は骨粗鬆症でした。

翌朝、慌てて苑へ行ってみると、母は三角巾で左腕を吊っていました。明け方、薄暗い時にベッドから起きてつまずいて、左手首を骨折したのでした。

レントゲンを撮ったらしいのですが、スタッフさんは詳しいことは知らないようでした。
昨日は応急処置だったので、明日、もう一度受診するとのこと。

どうやら、ポッキリ折れたのではなく、手首の細い骨がどうにかなっていたらしい。とにかく、誰が連れて行って、診断結果がどうだったのか、要領を得ませんでした。
今、思えば、もっと突っ込んで聞けば良かった。

それから、10日後、勝手にギブスを外してしまったから、そちらで病院に連れて行ってくださいとの電話。

仕方ないので、車で迎えに行ってかかりつけの病院に行きました。ギブスをはめ治してもらって送り届けました。

苑で起きたのだから、苑の責任だと思うのですが、人手が足りないとか、別費用がかかるとか、理由を言ってくれれば、納得して連れて行ったのになあ。
なんだかしっくり来ませんでした。

個室で一人で勝手に骨折したのだから、苑には責任がありませんという態度でした。
その後も何回か勝手に外してしまいましたが、なんとか骨はくっつきました。

認知症だから、外しちゃダメよ、と何回も言ってもすぐに忘れてしまうのでした。

まあ、顔色は良かったし、入所前よりふっくらしていたので、ケアは良かったようです。

言うことを聞かないで面倒ばかり起こすと、追い出されるのではないかとヒヤヒヤしました。
折角入れたのに、家族が責任がどうのとうるさくするのは、まずいような気がしました。
ホームとのつきあい方に考えさせられました。

特養に入所する日

20130718175154851

入所にあたっていろいろな書類が必要でした。

・診断情報提供書(病院の主治医に書いてもらう、数百円)
・健康診断書(実費なので割高、母の病院は18,000円)
・後期高齢者医療被保険者証
・介護認定証
・介護保険負担割合証
・入所契約書類
・何かの同意書いろいろ
・銀行口座引き落とし書
その他(たくさんあってもう覚えていません。)

ショートの時は、家具もTVも備え付けでしたが、今回は購入する必要がありました。買いに行くヒマがなかったので、ネットで注文して、D苑に届けてもらいました。

衣類や持ち物は、すべてマジックや糸で名前をつけなければなりません。
下着、靴下、タオル、上着、BOXティッシュ、その他の持ち込む物

入所当日は、ショートに行くような振りをして母と送迎車で一緒に行きました。
母を新しい居室に入れて、スタッフの人が相手をしてくれている間に、関係者が別室で説明をしたり聞いたり、書類に署名捺印をしたりしました。

終わったので、母の様子を見てから帰ろうとしたら、いつもと違う気配を察したようで、ものすごく警戒した固い表情をしていました。そして、私も帰る、置いていかないで、ここはイヤだとしきりに言うのでした。

もうすぐ夕食だから、それを食べてね、とか適当なことを言って無理に置いてきました。
そのときの絶望的な目つきがいつまでも頭にこびりついていました。

しかし、スタッフにそのことを話して、ときどき自宅に連れ戻しても良いですか?
と訪ねると、今までのやさしい表情が急に厳しくなりました。

「しばらくは会いに来ないでください。お母様も家のことを思い出して帰りたがるし、ご家族も辛くなりますから。1,2ヶ月は必要な物を届けに来ても会わない方が良いですよ」

ガ~ン、そうだったのか!

ときどき外出させて自宅にも連れて行ってあげよう、懐かしがるだろうが、特養が居心地良いとわかれば、素直に戻るだろうと考えていましたが、甘かった!

突然の入所決定

特養の一例(イメージです)《特養の一例》

D苑から、(○○苑改め)

「次のショートはいつ頃にしましょうか~?」

と聞かれたのですが、サ高住Aの体験入居の予約が近づいてきたので、
そのことを話し、そこから戻ってきてから決めることにしました。

そのサ高住Aに行く前に、
もうひとつの気になるサ高住Bの見学に行きました。

行ってみたら、Aも見学したときはこんな良い雰囲気のところなら自分が入りたいと思うほど和やかな雰囲気でしたが、Bはもっと明るくて楽しそうでした。

入居者もスタッフも笑顔で、廊下ですれ違うと雑談をして笑い合っていました。
とにかくどの人も、車いすの人も明るいのです。
こんなに明るい表情の入居者ばかりのホームは初めてです。
施設長さんが、うちはスタッフ教育に力を入れていますと自慢していた通りでした。

それで、もう心がグラグラ。

少し高くても、こんな気持の良いホームに母を入れてあげたい~

そして、説明を聞いて空き部屋を見学させてもらいました。
2部屋のうち、ひとつは高い階にあり、明るくて眺めも超良好。
室内にトイレもあって広~い!

ここだわ、こここそ、特養の空き待ちに入るには最高だわ!

即、入所予約をしてしまいました。

D苑に、経過報告をしました。

「そんなわけで、次のショートステイは止めます。
そちらが空くまで、サ高住Bに入れますから」

そして、数日後、D苑から電話がありました。

「急に空きが出ました。
今はお宅が2番候補です。
一番候補の方に連絡したら、
本人は別の施設に入っていて、そこにすっかりなじんでいるので、
どうするか少し考えさせて欲しいとのことでした。
2日後に返事があるので、それまでは本契約しないでください~!」

すごい急展開です。
ドキドキしました。

どうぞD苑に決まりますように!

そして、2日後の夕方、

「最初の方が辞退しました。
お宅が入れますよ~」

やった~
神様、仏様、ありがたや~

(そんな上位の順番だったなんて知らなかったワ。
そうならそうと言ってくれれば、慌てて民間のホーム探さなかったのに)

取りあえず、AもBもキャンセルしました。